SITTING ON THE FENCE


異性間の友情って信じますか?
私には親友がいます。
夫の友人でもありました。
出会ったのは私が15歳の頃。
夫と同級の彼は私の二つ上です。
その頃はバンドの全盛期で、夫も彼もバンドを結成していました。みんなが熱く、キラキラしていた若かりし日々…。
大人になっても仕事の後は毎晩のように一緒に飲み、騒ぎ…。友人のお店で飲み、その後これまた友人の屋台で飲み、白々とした夜明けを迎え、帰ってひと眠りして仕事に行く。そんな無謀とも言える日々を送っておりました。ホントに楽しかったなぁ…。
馬鹿騒ぎの中にも深い話があり、あーでもないこーでもないとよく論議していたものです。
音楽の話で…。ROOSTERS狂だった私たち。My favorite Songは「SITTING ON THE FENCE」という意見で一致しました。
「よかぁ〜」独特な口調の彼…。


私が病んでしまい、化学療法中も毎週電話をくれました。点滴中のベッドで携帯から聴こえる声…。
「病気やらに負けるたぁじゃないやろ?絶対大丈夫やけん!たぁは絶対治る!オレ、祈ってるけん!」
どれだけ励みになったことか…。


その彼が四年前、天国へと旅立ちました。
ひと月ちょっと前、会ったばかりだった。
彼はいつもの優しい笑顔で一冊の本をくれました。
〜中村 天風 銀の言葉〜
「たぁ、これ読んで。オレが苦しい時、いつも読んでた本。たぁにあげる」

そして同じ場所で、娘のバースディプレゼントを探してる時、訃報を聞いた私は、卒倒するが如く、座り込み、そのまま立てなくなってしまいました。


今もずっとあの時の笑顔は胸の中に…。
SITTING ON THE FENCE…
先日検査結果を聞きに行く車の中でもフルボリュームで聴いていた。
フェンスに腰かけて彼は微笑みながらいつも見てくれている。
昔と同じ。いつだって一緒やけん。
天国に逝ったら、いちばんに会いに行くけん。
でも、彼はきっとこう言ってる…。
「たぁ、まだ来ちゃいかんバイ。」






独りじゃないょ…。

いつも想っとうけん…。
いつも一緒やけん…。


昔から履いているDr.Martens
これからもずっと履き続ける…。