希望の鐘

放射線治療センターに行って来ました。
初めての体験は、何でもドキドキするものです。予め、淡河先生より、治療センターの写真付見取り図は頂いてました。
くねくねくねと曲がりくねり、行き着いた目の前に現れたオレンジ色のドア。
周りには何もなく、廊下の突き当たりにいきなり現れたという感じ。
「この扉の向こうには、また未知なる世界が……」
そう思うと、一瞬慄然と立ち尽くしてしまいました。しかしながら、ふと気付くと、前方右上に、カメラのようなモノが……
怪し気な女が何やってんだろぅ。なんて思われちゃいかんな。早々中に入りました。
でも、自動扉が開くと、そこは、明るく、普通の画像センターという感じ。
受付を済ませ、ソファにて待つ。
BOOKスタンドに目をやると、放射線治療や、がんに関する本が並んでいた。
もう読み尽くすように読んだものの、やはり乳がんの本と、放射線治療の本を選び、しばし読書にふける。
すると、いきなり「カラン,!カラン,!カラン!」と鐘の音が。
すごく大きな音だったので、ギョッとして顔を上げると、小柄なおばあさんが、壁際にさがっている鐘の紐を引いてるのだった。
何事か?!と思ってると、看護師さんと、周りにいる患者さんたちから、拍手が…。
思わずつられて私も拍手をする。
「頑張ったね!!」と皆さん笑顔。
両手でPEACEをするおばあさん。
鐘をバックに看護師さんが写真を撮っていた。
もしかして治療が終了した時のお決まりの行事なのかな。
ん……?てことは、もしかして私もすることになるのだろうか……う〜〜、超苦手……
でも、日常の生活がある中で、毎日毎日放射線照射に通い、副作用にも耐え、やり遂げた時に鳴らす鐘の音は、どんな音に聴こえるのだろう……苦手なんて言っておきながら、ウルウルになるのは目に見えてるな…。
今日は、治療に伴い、起こりうる副作用の説明と、照射位置を決めるためのCTのみ。それから、紺色のマジックで、マーキングされた。う〜ん……ここから照射するのか……。
複雑な思いはするものの、不思議と、化学療法の時のような恐怖感はない。
受付で読んだピンクリボンの本に、川村カオリさんのコメントが載ってました。まだ再発される前の彼女です。
でもコメントにはこう書いてありました。


「……人生にはタイムリミットがある。という考えが根底にできました。日々の小さなしあわせに気づけるようになれたのは、私自身へのギフトなんだと思います。
命が永遠に続くと思うと生きることに対して甘えてしまう。」


うん……そうだね。
ホントにその通りだね……。
そのことをこうして再確認させていただけたのかもね…。
今日はセンターに行く前、齋藤先生と、篠崎先生にお会いし、お二人からパワーを頂きました。心強いです…。
次男のお迎え帰りに見た夕陽の素晴らしさ……


「きっとうまくいくよ」どこからか、そう聴こえた気がした…。