自閉症の子 わかって


昨日の朝日新聞




やはり……
胸が締めつけられる思いがしました。
行動が落ち着かないため、お母さんはつきっきり。
「誰もが障がいを理解してくれるとは限らない。いつ大騒ぎしてしまうかと思うと、避難所には入れなかった」地震後の一週間、避難所に入るのを避け、車中泊を続けていたという。
どうか、周囲の方々のご理解が深まりますように…
自閉症児は(特に幼児)全く普通に見えるので、周囲の人は障がいに気付かないことも多い。
次男の場合は?を少し書いてみようと思う。
次男も例外ではなかった。幼い頃から…寧ろ、可愛く、神秘的とも見える、何とも言いようのない表情をする。
でも、母親はいち早く気付く。
何かがおかしい……。
そのうち、様々な仕草が現れるようになる。
次男は耳が聴こえないことのほうが早く発覚したので、はじめは「聴こえない」からだろうか?と思っていた。でも、そうではないのではないか?何か他にあるのではないか?と感じるようになる。
まず、視線が合わない。合わそうとしない。
人に興味がなく、着ている服の柄などに反応する。
スプーンを電気にかざし、光るのを喜ぶ。(おもちゃではなく、いつもスプーンを持っていた)
トミカを寸分のくるいもなく円形に並べたり、パズルなどが好き。などなどなど。
普通のおもちゃや遊びには興味を示さない。
そして、現れる症状は成長に伴い、関心の対象も少しずつ変化して来る。
幼児期〜低学年くらいの時は水。
公園に連れて行っても遊具などには見向きもせず。一目散に蛇口へと爆走。たどり着くやいなや(上に向かせて)全開にひねる。時には指を当てて、水をピ〜〜〜ッと飛ばす。
勿論、誰かに向かって飛ばすのではない。ただただキラキラと光に輝く水しぶきが見たいのだ。
手を目の少し斜め上あたりでヒラヒラさせて喜んだり、同じ場所でくるくる回ったり…。
当然、周囲からの視線が突き刺さる。時には、自分の子どもに「近寄っちゃだめよ」と言う母親もいる。
それから排水溝やタンスの裏など、ありとあらゆる隙間に物を入れ込む。車のキーを排水溝に落とされた時は私一人で取り出すのに夜中3時まで、5時間かかったこともある。
そして、「こだわり」と「パニック」
次男はこだわりについては、さほど強くはないようだが、それでも、スイッチを切る、ドアを閉める、スプーンやコップ、食べ物の形態、マヨネーズなどへの執着は今でも続いている。
パニックに関して言えば、これがいちばん大変かも知れない。大型洋品店のマネキンをなぎ倒し、大騒動になったことも。物を投げ飛ばして割れるたび、ガラス屋のおじさん、「またですか…?」
でも……。
パニックの時、いちばん辛いのは本人なのだ。あの恐怖におののいたかのような泣き顔と叫び声は聞くほうも辛くて耳を覆いたくなる。何とかしてあげたくても、なだめたりするのは逆効果だ。本人が落ち着ける場所でそっとしてあげて、嵐が通り過ぎるのを待つしかない。絶対に叱ったり叩いたりしてはいけない。わがままなどでそうなっているのではない、ということを周りがまず理解する必要がある。
そして、パニックには必ずと言っていいほど、きっかけになる理由がある。訳もわからず暴れるのとはちがうのだ。一緒にいると、「あっ、これだな」とわかるようになる。その理由を取りのぞいてあげるのもパニックに至るのを防ぐ手段になる。


でも、穏やかな時に見せるあの笑顔は、まさに天使のような…という表現がいちばん当てはまる気がする。あの笑顔を見たいが為に、母はガンバるのだ。


自閉症は、100人いれば100通りと言われるほど同じ症状ではない。しかし、コミュニケーションがとりづらいということはどの場合にもあてはまるようだ。他者の気持ちをくんだり、共感したりも難しい。

公共の場などでは、家族は憔悴しきってしまうこともたびたびだ。
「いいんですょ」
そのあたたかなひとことに、母は救われる。