よく生き よく笑い よき死と出会う


アルフォンス・デーケン氏(哲学者、上智大学名誉教授)の講演会に行って来ました。
ホテルの会場は満員。ほとんどが看護師さんや、緩和ケア、がん医療に携わる方々、なのだろう。
お話は生と死を考える…というところから始まりました。
ドイツ語では動物が『死ぬ』のは「verenden」、人間が『死ぬ』のは「sterben」と言葉が異なります。前者はただ消えるという意味で、下降するのみです。後者は肉体的に衰弱しますが、精神的にはまだ成長できる可能性があるというニュアンスが込められています。と…。
死にゆく人でも、自分次第でまだまだ成長することが出来る…。
そして、
発想の転換〜「第三の人生」への6つの課題
1・手放すこころ〜執着を断つ
2・ゆるしと和解〜こころのケアの大切さ
3・感謝の表明
4・さよならを告げる
5・遺言状の作成
6・自分なりの葬儀法を考え、それを周囲に伝えておく


なにを「持つ」かよりも、いかに「ある」か…が大切。


それぞれの項目の詳しい説明もあったのですがそれは省きます。
私は、希望への祈り…


「神よ、私に変えられないことは、そのまま受け入れる平静さと、変えられることは、すぐにそれを行う勇気と、そしてそれらを見分けるための知恵を、どうぞお与え下さい。」


これぞまさしく私に必要な心だと思いました。
そして、

『Humor ist, wenn man trotzdem lacht.』
ユーモアとは「にもかかわらず」笑うことである (ドイツの有名な定義)


このこと。
心に刻みました。


この講演会に行けたこと…
齋藤先生に感謝いたします。
そして、一緒に聴いてくれた内山さん…ありがとう…



今日はお迎え後もバタバタで、毎日の神社のお参りにも行きそびれてしまった。
夜、食事の後片づけを済ませ、「ちょっとお参りして来るね」と言うと、娘が一緒に来ると言う。
二人で、手を繋いで、てくてく歩いて行った。
夕立ちの後の夜空は澄んでいて、星がたくさん輝いていた。

キラキラ、キラキラ…

夏の夜の匂いは好きだ。
ふっと頬をよぎる風が心地良かった。
私がお参りをする横で娘もちんまりお参りしている。
社台の匂いを嗅いでみた。
何とも言えない木の匂い…
そして、いつも頭を撫でる石の牛さんを、今日は二人でいっぱいいっぱい撫でてあげた。
「牛さん、今日は暑かったねぇ…でも、雨が降ったから、涼しくなったでしょ。いつもここにいてくれて、ありがとうね」って、からだ中撫でた。
ふと、娘が持って来てたチビ懐中電灯で照らすと、昭和十二年と彫ってあった。
「りーちゃん、この牛さん、りーちゃんやママが生まれるずーっとずーっと前からここにいるんだょ」
「すごいね〜、牛さん、これからもずっとずっといてね」
そして、また撫で撫でしてました。


「ママ、また夜にお参り行こうよ!りーちゃん、ママと歩いて行きたい!」
「そうだね〜、また歩いて来ようね」


繋いだ手を振りながらにこにこで歩く娘…
冷んやりとした空気。
煌めく星空。


この幸せな時がずっとずっと続いてほしい…
娘と歩いてる時は幸せな気持ちでいっぱいだったのに、こうして書いてると、涙が溢れて来る。あとから、あとから…
幸せな気持ちだけだと良かったのに…
どうも私はひとつ余計なんだょな。
また行けばいい。
何回も何回も。
私はここにいる。
牛さんもここにいる。


大丈夫。全ては大丈夫…。





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