CTの結果


思うに…
術後経過観察中の場合は別として、再発した場合の検査は、なるべく…と言うか、最小限にしたいものだ。
病院に着くまではいつもの如くバタバタで、考える余裕がなかったのだけど、先に治療(ハーセプチン、ゾメタ)を済ませ、待合の椅子に座っていると、どんどん不安になって行き、35(今日の私の受付番号)が掲示されると、心臓が口から出そうな感覚に陥った。
再発後の治療は、完治を目的としたものではなく、いかにQOLを保て、自分らしく生きる時間をいかに繋げられるか….を目指すことになる。なので、病状が落ち着いている時は、少しでもダメージの少ない、QOLを維持出来る治療法を選択せねばならない。そこを見極める医師の腕と、薬の匙加減が何より大切だと感じる。そして、最終的な決断は自分でしないといけない。自分自身のことなのでね…。
状態によって治療法を変えて行かねばならないことを思うと、検査も必要とは思うのだけど…。その度にこんな思いをしていたら、本当に身が持たなくなりそうだ。


診察室に入ると、医師の前に置いてある放射線科からの検査報告書がすぐ目に入った。
医師から出た第一声は
「治療がよう効きよるよ」であった。
私…(お腹ところからへなへなへなと何かが抜けて)
「えっっっ?!ホントですか?!」と、ここでやっと椅子に座る。が、その肩から力の抜けたものの5秒後には、ギョッと目が釘付けになった。
【縦膈リンパ節と、肝臓に転移の疑い】
と言う文字が飛び込んで来たからだ。一瞬、目眩がしそうだったが、すぐに、いつもの『もう一人の私』が作動してくれた。自分自身を客観視する私だ。
「あの…転移の疑いとありますが…」
医師の説明はこうである。
「CTはいろんな角度から診るし、そのように写ることもある。これもまだそう気にする程のことではない」
私にとってそれは納得出来る応えではなかった。
肝臓は、2008.11月に初発の転移で、ナベルビンとハーセプチンにてCR(完全奏功.全ての標的病変の消失)となり、その後、現在までそれを保って来たのだが、ここに来てやはりまた再発と言うことか…しぶとい奴め……ここ最近の異常な眠気と怠さは肝転移によるものなのか?
しかし…肝臓は、6月10日、そう、私の誕生日にエコーをし、それでは何の異常も指摘されなかったのだ。とするならば、このひと月の間に出て来たと言うことか?
同じ日に、薬をタスオミンからフェマーラに変更している。医師からはフェマーラのほうがより強力に作用するとのことだったが、私にはタスオミンのままのほうが合っていたのではないか?
そのようなことを、超高速で考えていた。
で、医師に聴いてみた。
「今の段階で、抗がん剤に切り替えることはしなくていいと言うことですか?」
「まだフェマーラに変更してひと月くらいやろう…うぅん…このままで行きましょう」
とのことだった。


報告書にはUSでもフォロー下さい。とあった。
CTは被曝のこともあるので、今後は超音波(エコー)での経過観察になるのだろうか…
来週は、採血もある。約二ヶ月ぶり。前回腫瘍マーカーCEA)が少し上昇していたので、これがどうなっているか?も一つの指針になるだろう。
いずれにせよ、ヘンに考え込むことはしないと決めた。あたふたしようが事態は変わらないのだ。考えあぐねたところで、どうなる訳でもなし…それこそ時間の無駄だ。
限られた時間と限られた命…
大切にしないと……………



同じがん友の方も…
「疑い?とか中途半端な言い方も聞きたくないよね。でも、今のままで良いという事は最悪ではないと受け入れて乗り切ってほしいな」
と言ってくれた。
何だかホッとした。
同じ境遇だと、本当に相手の気持ちが理解出来るのだ。




事態は気になれど、時間は止まることなく過ぎて行く。
病院を出て、買い物をし、そのまま次男のお迎えに行った。
子供たちの笑顔を見るとホッと気持ちが和らぐ。
私は私である前に、この子たちの母なのだ。
今生では「母なる私」を全うしたい……
心からそう思う。





今日の結果は、とてもデリケートな内容なので、書くことをほんのちょっと迷いました。
でも、このBlogは、私の治療の経過と、私の思い、苦悩、子供たちへの想い、それらを明確に記しておく為に始めたものなのできちんと書くことにしました。
そうすることが、真摯に病と向き合い、「生きる」ということに、誠実であると思えたからです。
それからもう一つ、
「隠す」ということ事態が、がんという病が今までずっと持ち続けて来た「がん=死」という偏見を増長することになる、そう思うのです。
どうか、ご理解ください。









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