初冬の霧の夜に…

ふと気がつくと今日からもう12月。
アッピアさんの訃報から早くも2週間が経とうとしているのですね。
あれからどうにも這い上がれず、それでも日々は過ぎて行くのだけど、淡々と無にも近いような一日を過ごしていました。
「いや、○○さん(私)、そりゃいかんよ」
というアッピアさんの声が聴こえそうな今夜…。
少しだけ想いを書かせてください。


アッピアさんと私は病歴、使って来た薬もほぼ一緒、そして何よりがんと共に生きて行くにはどうしたらいいのか、という思いがものの見事に一致して、医師とのこと、治療、家族、、話は尽きることがありませんでした。
2人の間には、こんな状況なのに、
『にもかかわらず』精神がいつも沸々と蠢いていて、
早寝しなくちゃいけないのは分かっちゃいるが、寝るのがもったいない〜!
と、夜更かし正当化同盟とやらを作り(会員2人)、それがいつしか深夜同盟→日本遅寝連合会とやらに変化して行き…。
「やはり深夜に文化が花開くのよ」
なんて言ってたアッピアさん。
私の夏のガンマナイフの時もお互いスターウォーズ好き、パダワン話でひと盛り上がりでした。
でも2人の間ではそれらは決してただふざけているのではなく、治療と、心理状態をしっかりと見据えているが故言いあえることだったのです。
「でもガンマナイフ治療、ご家族の付き添いなしでひとりでやり遂げてしまったのね。私ついてあげられれば…。パダワンのたぁさん…」
の一言は忘れられません。



その夏が過ぎたあたりから、アッピアさんが「私、たぁさんに会いに行くよ!」と。
せっかくだから、長崎あたりの古い教会巡りもしようかなぁ…。
福岡の高級ホテルで語り明かそう!
ん〜、でもアッピアさん、福岡は健康な人間が練り歩く街だから、やはりここは湯布院の森号でひとっ飛びやない?
と言うと、早速いろいろ調べてありました。


老舗高級旅館で語り明かし、丑三つ時に「アッピア&たぁ夜更かし同盟コンビ何やってる!?」なんて記事UPしたら笑えるよね。なんて言い合って。


そんなこんな言ってるうちに私の体調がだんだん悪くなって来て、
(あぁ、早く復活しないとアッピアさんとの計画が…)
と思ってた矢先、アッピアさんが入院された。
最後にメールをいただいたのが10月28日。


目がみえなくて放射線治療やるよ。


その頃私も昼間殆ど横になってる時が多かった。
「寝ている窓から金木犀の香りが漂っています」
「吹く風が冬めいて来ました」
そんなメールを送りましたが彼女からの返信は無く、それでも私の中では
「大変だったけど何とか復活したよー」
そのひとことが届くと信じていた。


ご主人から頂いたメールには
「○○の最後の希望が○○様に会いに行くことだったので、本当に残念です。絶対復活して会いに行くんだと言っていました」と…。




「T-DM1を試すまでは死ねないよ」



私たちの合言葉のようになっていました。
どうして私をおいて逝ってしまったの?
と泣き尽くしましたが、アッピアさんの無念、絶対私が果たさないと。と自分に言いきかせてます。






今夜は凄い霧でした。
街灯がぼうっと霞んで…。こんな霧ははじめて見たかも。
アッピアさん、夏の通院の時、ホテルに泊まられ
コーヒーゼリー食べながらたぁさんオススメの夜と霧読んでるよ〜」なんてメールくれた時もありましたね。
「私も一緒に食べたい〜!しかし…そんな夜にフランクルはキツすぎでしょ〜」
なんて…。


いろんなおもい、いろんな悲しみがある。
今夜はアッピアさんとの想い出のひとつを書かせていただきました。





アッピアさん、会えたらきっと弾丸トークだね。
それまで頑張ってみるよ。
アッピア&たぁ魂でさ。










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