これもご縁です


三年前の夏。
ガレージで、何やらミャァミャァと鳴き声が…
見ると、隅の方の物陰に野良猫の赤ちゃんが……黒猫が産まれたての子猫にお乳をあげていました。
あまりの可愛さに、子供達も興味津々…。
夫も私も昔、それぞれが犬や猫を飼っていたので、二人とも動物は大好き。でもダメ。次男が動物の表皮アレルギーなのです。
しかも、これ以上、お世話や、やる事が増えるなんてもってのほか!飼う気がないのなら、無責任に餌付けはいけないと、密かに見守っていました。
しかし、一向に去る気配がなく…。
真夏のじりじりとした暑さが続き、三匹の子猫が次々と亡くなったのです。
昼間は元気だったのに、夕方には小さく硬くなっていました。
命とはなんと儚いものなのでしょう……。
夫が庭に深く穴を掘り、その亡骸を葬りました。
子供達も私も号泣……。みんなで小さなお墓を作りました。
親猫は黒猫で、私たちはバロンと名付け、見守っていました。
するとそのバロン、生き残った三匹の子猫に毎日お乳を与えに来るのです。
同時期、長男が、ブロックの中に挟まれて出られなくなってる黒い子猫を救出!
この子猫がバロンの子供だったのかはわかりません。でも、バロンはこの子にも同じようにお乳をあげていました。
少し大きくなった頃には、何処からか、ちくわを咥えて来るのです。自分が食べたいだろうに、子猫の為に大事に持って来る姿に、動物の母性愛を教えられた気がしました。
そのうち、蝉や、トカゲなども持って来るようになり、その姿を見るに見兼ねて…。餌をあげてしまいました。
すると、その頃から、バロンはぱったりと姿を見せなくなったのです。
これでこの子達は大丈夫…と悟ったかのように。
さて…。四ひきの子猫が残りました。
黒猫の「ジジ」、ロシアンブルー似の「グレイ」、アメリカンショートヘアみたいな「まだら」、そして後から来た黒猫の「YOSO」。

四人は仲良く一緒でしたが、ある時、まだらの背中に瘤ができました。ちょっとした傷もあったので、押してみると大量の膿が…!急いで病院に連れて行ったところ、臆病なまだらは暴れてビクビク。帰ってからほどなく、何処かへ行ってしまいました。
少しして今度はジジが同じような状態になり、また病院へ。傷が落ち着くまではケージに入れていたほうがいいでしょう、と先生からのアドバイスもあり、ジジはケージで過ごすことに…。
残ったグレイとYOSOはどちらも雄で、二匹は大の仲良し。

でも、ほどなくYOSOも旅に出てしまいました。
ジジは怪我がもとで、そのまま家の中で過ごすことに。
グレイは病気になってしまい(コラム「生きてる…」25話参照)今は、ケージの中にいます。
次男のアレルギーが心配で、極力同じ部屋にならないようにしてたのですが、無理でした。
はじめは咳が出て、ゼイゼイなったりもしてたので、これは家では飼えないなと思ったのですが、今は大丈夫みたい。
お互い牽制し合う態度がめちゃめちゃ笑えます。
きょうだいでも性格は全然違います。
ジジはシュールで、一人でカーペットやマットにもぐるのが好き。
グレイは人懐こくて、ずーっと膝の上にいるタイプ。
病気に負けず、懸命に頑張ってます。
私に一番懐いてくれていて、膝抱っこばかりせがんで…。
「グレイ、一緒に頑張ろうね!ずっと生きるんだからね!」と言うと、「ミャ〜ァ」と返事をくれます。
グレイと共に、今年も頑張ります!
そんな訳で、うちには今、二匹の猫がいます。
縁あって出会えた大切な家族です。




明日は今年最初の病院です。