抗がん剤の選択・揺れる心


先週金曜日の外来にて採血の結果、じわじわと上がり傾向だった腫瘍マーカー値(CEA)が更に上昇。7月のCT結果も踏まえて、もはやホルモン療法(フェマーラ、ゾラデックス)に限界が来たと告げられ、化学療法再開は確定的なものとなった。

どうにか出来る限りホルモン療法で行けないかと願ってたのですが…
これが再発がん治療なんだと思い知ることになりました。

「そろそろ抗がん剤に切り替えようかね」

主治医の言葉にそう慄きはしなかった。
その時は…。
わりと冷静に、次なる薬の話になる。

今回、主治医から推奨されたのは、TS1&塩酸イリノテカン(カンプト)併用化学療法。薬としてはすでにどちらも厚労省から承認を受けている薬剤ですが、併用療法としてはまだ臨床試験中の薬です。(あ、治験と言ってもタダではありません。普通に各種保険の負担支払いと一緒です。念のため…)
TS1は経口薬で、一週間の内5日間服用し、2日間休薬。これを3週間続けて1週間全部休薬。カンプトは治療開始1日目、8日目、15日目に点滴で静脈注射し、その後1回(1週間)休薬。4週間が治療の1クールとなる。
しかしこの治療。従来の、抗がん剤の副作用である白血球減少、好中球減少、ヘモグロビン減少、血小板減少、食欲不振、悪心・嘔吐、口内炎、色素沈着、発疹、に加え、特にカンプトでは下痢が多発するらしい。これも下痢止めで対処出来るらしいが…。
で、この治療にあたり、カンプトに対し、10人に2人くらいの割合で強い副作用が出ることがわかっており、その副作用の出方を、UDPグルクロン酸転移酵素(UGT1A1)と言う酵素の遺伝子を調べることで、この薬の副作用が出やすい体質を持つ人を見つけることが出来るのだとか。ただし、遺伝子を調べる検査である為、同意書にサインが必要。
更に、TS1&塩酸イリノテカン(カンプト)併用療法も、臨床試験の為、もちろん同意書にサインが必要。同意書の説明内容として、1〜22の項目があるのだが、14項目の【患者さんのメリット(利益)とデメリット(不利益)】というのが気になった。


【この試験は研究目的のものであり、患者さんが得られるメリットとしては下記のものが考えられます。
・「がんが縮小すること」と「ある程度の延命効果が期待できる」こと
・最終的には、あなたがこの試験に参加していただいた結果が、将来、日本の乳がん患者様がTS1療法と塩酸イリノテカンを併用し、安全に治療できるようになるかどうかの情報になること
また、デメリットとして期待に反する結果となった場合、副作用がでるだけの可能性もあります】



う〜〜〜ん………
まぁね………
全ての治療は、こういった臨床試験を経て現在の有効な乳がん治療薬となったのでしょうから、治験に参加するのがどうこう言うことを思ってるんじゃないのです。
以前もちらっと書きましたが、次の抗がん剤はどうするか?を検討、候補に上がってる一つに、ゼローダがあるのです。これは経口薬です。5-FU系の薬ですが、私はまだ使ったことがなく…。
先週金曜日に、主治医の推奨通り、TS1&カンプトがいいのかナ……と同意書まで頂いて来たのですが、何だかスッキリせず…。
で、受診日ではなかったのですが、今日、また受診して来ました。もう一度、きちんと主治医と話したほうがいいと思ったからです。(こう言った話し合いが出来てこそのインフォームドコンセントだと思うからです)
私は乳がんになり、今までの治療は全て、以前の主治医とも話し合い、納得して、治療に挑んで来ました。どんな治療でも、最終的な決定は自分でしなければならない。するべきだと思うからです。何故なら、治療をするのはほかでも無い、自分自身だからです。もちろん、医師は薬に関してもプロフェッショナルであり、エビデンスある治療を勧められるのは理解しています。でも、今まで生きて来て、治療のことに限らず、いろんな場面での選択を迫られた時って、こう……何と言えばいいのかな…インスピレーションというか…「これだ!」と思う瞬間がいつもあるような気がするのです。宇宙からの声のような…
そして私は、その閃きのようなものを信じて生きて来たのです。

とは言え、今回の治療の選択は、そればかりではありません。
今の時点で、もう何も選択の余地はない。という状況でない限り、やはりいろんなことを念頭に置かなければならない。
それはやはり何と言っても生活のことだ。
家族の誰もが今までと何ら変わらない生活をおくれるのかどうか。
そして私自身も自分自身の治療をしながら、母としての自分を、健康な時と同じとまではいかなくても、きちんと、子ども達のことをこなせるのかどうか。


そう考えた時、TS1&カンプトは時間的にもかなりの段取りが必要になるのは間違いない。
術後化学療法のCEFの時も恐ろしいほど、もう一日かがりだった記憶があるが、あの頃はまだ子ども達が園に行ってたし、治療が終わってから即行でお迎えに行ったり、母にお迎え行ってもらったりもしていたが、今は無理だ。
そんなこんなを考慮すると、経口薬であるゼローダは何と私にベターな治療であることか!!!
で、私があまりにゼローダのことを尋ねるものだから、とうとう主治医、めずらしくクルッと向き直り、
「あーた、ゼローダば使いたいとね?」
…………………………………………………
いえね、何も『使いたい』とかではないんですょ。だって、どれが効くかなんて、まだやってもいない私に分かる訳ないんだから。命がかかってるのだから、あーだこーだ言うだんじゃあないのかも知れません。ただ、


《患者にはいろんな背景がある》


のだ。幸い、主治医はそのことをおわかりいただいたようで…


「ま、いずれは使わなんごとなるけん、どっちが先でもいいと思うよ。ただ、点滴のほうが、血中濃度も上がるし、ダイレクトに効くとは思うけどね」


と、やはりあくまでもTS1&カンプト推奨にはお変わりないようでした。

で、結局私が決めた結論は
【XC療法】(ゼローダ&エンドキサン。どちらも経口薬。ゼローダ単独よりも効果があるのだそうです)
まだ、金曜日まで猶予があるので、もう一度考えるつもりではいますけど。
でも、多分、自分の中では最初から決めていたのかも…。


帰りに齋藤先生の病院に行きました。
先生は「たぁさんが、納得して、そして大切なのはあなた自身が安心して受けられる治療を選ぶのがいちばんいいと思いますょ」
的確なアドバイスをありがとうございました。



どの治療が奏功するのか?は、やってみないことにはわからない。
そして、やると決めたからには、


「絶対に効く!!!!!きっと私は頑張れる!!!!!」
と信じること。



揺るぎない、
ブレない精神。
コレだと思う。
よし!!!
頑張るぢょーーーーーーー!!!
負けてたまるか!!!
自分自身の細胞に!!!!!




PS. コメントくださった皆さん、そして「ここ」に来ていただいてる皆さん、ほんとうにありがとうございます。
いろんな方々に支えられて生きているのだということ…いつも感じています。
これからの治療、私が挫けず、頑張り通せますように……
どうか、お見守りくださいね。
よろしくお願いしますm(_ _)m たぁ♥




今の私にピッタリな写メ、chisaさんが送ってくれたょ♡