「私は大丈夫」…ほんとに?

昨日、外科外来に貼ってあったポスター。
[乳がんになっているかどうかを確かめる検診であり、乳がんになっていないことを確かめる検診でもある。]
最近はピンクリボン活動に協賛している企業もたくさんあり、徐々に乳がんへの関心も高まりつつあるようです。
若年性乳がんが急上昇している。というのも一つの理由でしょう。
ですが、実際はどうでしょう?
私が乳がんを患ってると知るやいなや、
「あら〜、まだ若いのに可哀相にね〜。」
哀れみいっぱいの眼差しを向けられる時があります。もっとびっくりなのは、
「検診行ってる?」という話になると、笑いながら「あ〜、大丈夫、大丈夫。私はならないから。」なんて言う人も。
そんな時、私は呆れるというより、腹立たしくなります。
何をもって、自分は大丈夫だと言えるのでしょう?
根拠は?その自信はどこから来るのでしょうか?
生きてる限り、自分はがんにならないとは絶対に言えないことだと思うのですが。
私自身、まさか自分ががんになるなんて、思ってもいませんでした。しかも、毎年検診にも行っていたのです。
ただひとつ。唯一の誤算は、私も、(もしかしたら、私は大丈夫と言った方と同じように)まさか自分ががんになんてなるはずがないと、心のどこかに、そんな考えがあったのだと思います。もちろん、乳がんに関しての知識もなかった。
がん細胞は毎日誰の体内ででも発生している。それが、何らかの原因をきっかけに、抑制出来なくなり、がんになる。
たまたま…です。誰でもなる可能性がある。そう考えるとほんとうに怖い…。
とくに、乳がんは自覚症状がありません。しこりとして自分で感じる時は、病状としては進行している時が多い。しこりが触れない時期での自己発見は不可能です。
となると、「検診に行く」のが、より賢明な手段でしょう。
女性のみなさん(男性もなり得るのですが)、乳がんにもっと関心を持ち、必ず検診に行きましょう。
自分の身体は自分自身で責任を持ちましょう。自分の身体は、自分だけのものではありません。子供達にとっては、かけがえのない世界中でただ一人のお母さんです。まわりの人たちにとっては、ただ一人のあなたでしょう。 検診は恥ずかしい、痛い。…… どこが?
もっとすごいのは、「めんどくさい」
……絶句……言葉がありません。
乳がんは、早期発見できれば、手術でも温存出来るし、術後の治療も、全く違ってきます。
年配の方は特に(乳がんは、手術で取ってしまえば治る)と思ってる方が多いのではないでしょうか?
確かに、ごく早期であれば、手術で完治する方もいるでしょう。
でも、乳がんは全身病です。
ほとんどは、術後、何らかの補助療法が必要になります。早期であれば、ホルモン感受性があるならば、ホルモン療法。放射線、リンパ節に一つでも転移が認められれば、化学療法(抗がん剤)は免れません。
大切な自分の身体を守るためにも、今すぐにでも検診に行きましょう。
必ず、乳腺外科で、マンモグラフィーや、エコー検査が出来る病院を選びましょう。
市の乳がん検診を、産婦人科で行ってますが、産婦人科は、視触診です。視触診での「異常無し」を信用するのは危険です。私はそれで、早期発見を逃しました。
乳がんの治療は、乳腺外科で行ないます。産婦人科では検診されないように。
今、こうしてる間にも、乳がんが発見されてない方が、どれだけいらっしゃるかと考えると、ゾッとします。
今年はもう行かれましたか?
自分は大丈夫だと思っていませんか?
もし、少しでもそのような考えをお持ちでしたら、今すぐ変えて下さい。
今すぐにです。